相続した不動産売却で得た利益に掛かる税金について

相続によって継承できる財産の種類には預貯金や現金などがありますが、このような財産の場合、財産を継承する人たちの間で公平に分配することが可能です。しかし、相続することのできる財産には、その財産を継承する人物が複数人いた場合に公平に分配することが難しい性質のものもあります。
遺産として不動産が残されている場合、これを複数人の財産の継承者の間で公平に分配することは現実的には不可能なことから、不動産売却を行なって一度現金に変えた後に、財産を継承する権利のある人物の間で分配が行なわれることになります。
そのような場合、不動産売却した譲渡益に対しては所得税や住民税などの税金が課税されることになります。ただし、不動産売却をしたことによって得られた譲渡益のすべてが所得税や住民税などの税金の対象となるわけではありません。
不動産を売却したことによる譲渡益は、不動産の売却益からその不動産を取得するために掛かった取得費用や譲渡費用などを差し引くことで計算されます。そのため、取得費用や譲渡費用を不動産の売却益から差し引いた結果、その金額がマイナスとなるような場合には所得税や住民税は課税されることはありません。
また、継承した不動産を売却した場合に税金が課税されるときには、その不動産をどのくらいの期間所有していたかで税率が変化してきます。不動産の場合譲渡が行われた年の1月1日が基準となっていますが、5年を超えている場合には長期譲渡取得、それ未満の場合には短期譲渡取得となり税率に違いがあるという点を覚えておくようにしましょう。

法人が不動産売却をしたときの税金

税金の計算は、個人と会社で異なります。
 個人の税金は1月1日から12月31日の暦年を1会計期間として、翌年3月15日までに確定申告をしますが、会社は自ら決めた事業年度を1会計期間として計算します。
 税金の種類も、個人の場合は所得税、会社の場合は法人税となり、所得金額の計算方法や税率も異なります。

 不動産売却は、個人の場合、分離課税の譲渡所得といって、他の所得と独立して計算し、損失が出た場合も原則として他の所得から差し引くことはできません。
 会社の場合は、利益全体に対して課税され、所得の種類によって分ける必要がないため、不動産売却の損益も、他の事業活動の損益に上乗せするか、損失の場合は差し引くことができます。

 なお、個人の場合は個人経営の不動産売買業者を除いて、不動産の売却によって消費税を納める必要はありませんが、会社の場合は、消費税の申告と納付が必要になります。
 土地の売買については非課税ですが、建物の売却価額については、売却価額に含まれる消費税を納付します。
 また、土地の取引そのものは非課税ですが、取引の金額が高額になるため、消費税の課税売上割合に大きく影響することがあります。
 課税売上割合は課税売上÷(課税売上+非課税売上)で計算します。
 全体に対して非課税売上が占める比率が上がると課税売上割合は下がりますが、95%以下になった場合は消費税の仕入れ税額控除全体の計算にも影響するので注意が必要です。